『蝋燭花学研究』を発行しています。 『蝋燭花学研究』(ろうそくかがくけんきゅう)は、編集者個人の私的評論を中心にしながら、歴史の闇に埋もれてしまいそうな貴重な真事実を掲載していくことをめざしています。この小冊子はこれまで 前期の 1号(2016年10月号)~ 42号(2020年7月号) 、後期1号(2022年5月 号 )~15号( 2022年1月 号 )を発行しています。 『蝋燭花学研究』は、「ロウソクの科学」を実験と推理などによって研究するとともに、小さなロウソクのともしびから暗黒の未来を衝撃的に燃やし尽くすことができると信じているからです。バックナンバーをお読みになりたい方はお知らせください。 pdfファイルで作成した小冊子をメールに添付してお送りすることができます。まずバックナンバー一覧から、希望の一冊を注文していただければ幸いです。下の号は後期第1号の「水平社」をテーマにしたものです。
「不思議なとげぬき歯ブラシ」と げぬき地蔵さまの夢物語 ……そんなある日、夢を見た。枕もとに「とげぬき地蔵さま」が立って、ありがたいお声で私にこう告げたのだ。 「歯を抜かずに、歯ブラシの毛を抜きなさい」。 ハッと目がさめると、とげぬき地蔵さまのお姿はなく、枕もとに小さな金属製のものが光っていた。それは「とげぬき」だった。刺さったトゲを抜いたり、ムダ毛を抜いたりするのに使うとげぬきだ(毛抜きともいう)。そういえば、とげぬき地蔵さまは「歯ブラシの毛を抜きなさい」とおっしゃった。 このとげぬき地蔵さまのありがたいお告げから誕生したのが「とげぬき歯ブラシ」である。もちろん、この夢物語を信じなくてもよい。ただ、とげぬき歯ブラシこそが、歯周病を治してくれる不思議な歯ブラシであるということは真実である。さて、すぐにでも歯槽膿漏などの歯周病を治したいという人は、さっそく「とげぬき歯ブラシ」を使ってみよう。ただし、とげぬき歯ブラシはどこにも売っていないから、自分でつくるしかない。もしも自分でうまくつくれないという人のためには、考案者がつくった歯ブラシが廉価で販売されているので、それをもうしこむことにしよう。
毛の束を減らした「とげぬき歯ブラシ」 毛の束を抜いて減らした「たよりない」歯ブラシ 歯ブラシの毛の束の植え方は、「行・列」で示すことになっている。幅になっている横の並びが「行」で、軸の方向の縦の並びが「列」ということになる。ごく普通の歯ブラシの毛の束は、横に3列か4列になっていて、縦には8行か9行くらいというものが多い。見た目にはギッシリと植えてある。たとえば、外側の2列が8行ずつ、中央の2列が9行ずつという植え方の歯ブラシの場合、全部で毛の束は34本あることになる。「とげぬき歯ブラシ」をつくるときは、34本の毛の束のうち、10本だけ残して、あとの24本は抜いてしまうのだ。毛を抜くためには、「とげぬき」(毛抜き)を使う。いっぺんに束ごと抜くのは無理なので、少しずつ毛をつまんでぬいていく。慣れれば1本の「とげぬき歯ブラシ」は、3分くらいでできる。ただし、最近の歯ブラシは毛束の植毛が堅くしっかりしているので、楽に簡単には抜きにくくなっているようだ。その場合は、小型のラジオペンチを使って、束ごと抜くことにしよう。このときは、隣の毛束の毛を間違って抜くことのないように注意が必要だ。 イラストで見ることにする。図で●(黒丸)になっているのが抜かないで残す毛の束だ。白丸(○)になっているのが、抜いてしまう毛の束だ。その結果、左の図のように10本の毛の束が残るわけだが、見た感じはほんとうに「たよりない」というしかない。実際に毛の束を抜くときは、まず、中央の2列を残して、外側の2列を抜くとよい。そのつぎに、2列になった歯ブラシを1行おきに抜いていく。すると、2列でトビトビになった10束だけの歯ブラシができあがる。これが「とげぬき歯ブラシ」の基本のかたちで、「二列トビトビ」の歯ブラシと覚えておくことにする。 歯ブラシが3列のものだった場合には、同じようにまず1列を全部抜いて、2列の歯ブラシをつくり、トビトビにする。結果は左右対称にはならないが、使うときには影響はない。
「とげぬき歯ブラシ」の使い方 「とげぬき歯ブラシ」の使い方※「とげぬき歯ブラシ」の注文があり、たくさん作成しました。 「とげぬき歯ブラシ」は、普通の歯ブラシの毛の束を思いきって抜いてしまったものです。では、なぜ、せっかく植えてある毛の束をそんなにたくさん抜いてしまうのでしょうか。 自分の手を歯並びに置きかえて考えてみます。手をにぎって人さし指から小指までの4本の指を、爪が並ぶようにそろえてみます。この並んだ爪を普通の歯ブラシでみがいてください。爪の表面は簡単にみがけます。でも、爪と爪の間(指と指の間)には歯ブラシの毛の先はなかなか入りにくいはずです。 自分の歯でも同じことがいえます。普通の歯ブラシでは毛の束がギッシリと植えられていて、歯の表面に直角に当たり、ふんばるから、歯ブラシの毛の先がそれ以上入っていきません。普通の歯ブラシでは歯ブラシの毛が多すぎて、歯と歯の間に入るのをジャマしあっていることになります。 毛先が届かなければ、歯に付着したプラーク(細菌のかたまり)は除去できませんから、細菌とたたかうために炎症が発生します。歯は歯ぐきのなかにある歯槽骨という骨で支えられています。でも、骨の成分は熱に弱いために、炎症の微熱によって時間をかけて歯を支える骨が少しずつ溶けていきます。歯周病はこうして進行するのです。だんだん歯が動揺していき、グラグラと感じるようになります。いわゆる歯槽膿漏という病気です。放置しておくと、歯が一本二本と抜けてしまいかねません。 歯をきちんとみがいているはずなのに、なぜ? でも、これは歯みがきの仕方が悪いからではありません。自分の責任でもありません。歯肉の病気、また歯槽膿漏の原因は歯ブラシの構造。ひとことでいえば、歯ブラシそのものが悪いのです。 歯と歯の間に毛先が入る「とげぬき歯ブラシ」は、毛先を当てて軽く振動させるだけ。指を口のなかに入れて毛先の反対側を触ってみてください。毛先が通って抜けているのがわかります。また、歯みがき剤は使いませんから水もいらないので、いつでもどこでもみがけます。 ただし、「とげぬき歯ブラシ」でみがくと、出血することがあります。それは炎症のために弱っている歯肉に「とげぬき歯ブラシ」の毛先が届いている証拠なのです。ちょっとだけ痛くても、毛先が届けば歯に付着しているプラークは少しずつ除去されます。やさしくやさしくみがいていれば、数日後には出血はおさまります。 プラークは放置していると歯石という硬い物質になってしまうので、これは歯みがきでは除去できないので、歯科医院で丁寧に削ってもらいましょう。そして歯肉の症状も改善されるので、定期的に歯科医院で「歯のお掃除」をすることをお勧めします。 「とげぬき歯ブラシ」は、にんじん食堂の料理人が考案しました。質問などがありましたら遠慮なく「フェイスブック」のメッセージなどを送ってください(「実方藤男」で、検索してください)。 または、以下に郵便をお願いします。 〒616―8165 京都市右京区太秦桂ヶ原町9―6 実方藤男
五所純子さんのトークについて 3月29日と30日に広島で、五所純子さんの「死刑囚の文芸作品展」と「死刑囚の絵展」の選考についてのトークをお聞きしました。真摯でラディカルな印象的なお話でした。京都でも同じ「死刑囚」の「表現」の展示と、五所純子さんのトークが企画されています。 詳細が決まりしだいお知らせをさせていただきます。 楽しみにお待ちください。 なお、『週刊金曜日』(2024年6月7日号)に掲載された五所純子さんの文章を紹介しておきます。 さらに、企画の実現のときには、懇親会には「おいしい料理」を用意する予定です。(にんじん食堂料理人・談)